みなさん、そんな悩みはありませんか?
全て進化論をベースに科学的根拠をもとにした内容となります。
明日からでも実践できる内容が多く、非常に参考になります。
では、内容をポイントを絞って説明します。
本書のおすすめ度
読みやすいか? ★★☆
→章ごとに内容が分かれており、各章の最後には具体的なアクションまでまとめられているので、わかりやすいです。
実際に役に立つか? ★★★
→科学的根拠をもとに明日からでも実践できる内容が多々ありますので、非常に役立つ内容です。
では内容の解説に移ります!
文明病
文明病とは?
まずはじめに、先に述べたうつ病・肥満・慢性疲労などは全て文明病に該当します。
文明病とは、文明の発達によって引き起こされる現代特有の病気や症状のこと。
その要因は?
大きく分けて2つあります。
- 炎症
- 不安
ここから炎症と不安の説明、そしてその解決策の説明です。
炎症
炎症とは?
人の細胞レベルで起きる火事のようなもの。
うつ病や肥満、糖尿病といった不調の原因です。
長寿な人ほど炎症レベルが低い
研究によると長寿な人は一般的な高齢者と比べて炎症レベルが異様に低いそうです。
また炎症レベルを見れば老化のスピードが予測できるそうです。
大事なのは、炎症は体の表面だけではないということ
転んでひざを擦りむくと、皮膚は赤く腫れますよね、これが炎症です。
外から入ってきた異物に免疫システムが過剰に反応し目の充血や鼻づまりを引き起こします、これも炎症です。
そして内臓脂肪が分泌する炎症性物質に対して、免疫システムを動かし続ける、これも炎症です。
このタイプの炎症はハッキリした症状がなく、「なんだか調子が悪い」や「よく寝たはずなので疲れが取れない」という原因になります。
睡眠も炎症に大きく関係
研究によると以下の場合も炎症が増えます。
- 平均睡眠時間が1日7~9時間を逸脱したとき(多くても少なくてもダメ)
- 夜中に何度も目が覚めるとき
孤独も炎症に大きく関係
孤独感はタバコや肥満と同じぐらい全身に炎症を起こすことがわかったそうです。
不安
不安とは?
心配事や恐怖などネガティブな心理状態。
「ぼんやりした不安」と「はっきりした不安」
古代は、猛獣と戦うか逃げるかとか飢えをしのげるかなど、「はっきりした不安」でした。
現代は、今後の生活や仕事のプレッシャーなど「ぼんやりした不安」がほとんどです。
不安は記憶力、判断力を奪い、死期を早める
「ぼんやりした不安」というのは、人の脳のパフォーマンスとQOL(人生の質)に大きな影響を与えています。
不安は記憶力を低下させる
海馬は新しい記憶や学習能力に関わります。
不安は判断力を奪う
不安感が高まると、人は原始的な脳の働きが優勢になってしまいます。
結果、冷静な判断ができなくなってしまいます。
不安は死期を早める
研究によると、不安レベルが高い人は心疾患や脳卒中のリスクが29%上昇していたそうです。
不安の機能はアラーム
古代では生存の危機を察知し事前に対策が取れるようアラームの役割を果たしていました。
それが現代では「ぼんやりした不安」によりアラームが鳴りっぱなしの状態になってしまっています。
ではここから、その炎症と不安の解決策です。
炎症の解決策 腸内環境編
現代人は重要な役割を果たす腸内細菌を失ってしまっている
腸内細菌とは、消化器官に住みつく微生物で、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌や乳酸菌が有名です。
その腸内細菌が、衛生の発達と食物繊維不足という2つの理由で現代人は減ってしまっています。
衛生の発達により、有益なバクテリアまで殺してしまう、そして腸内細菌の栄養である食物繊維が不足することで腸内細菌が減ってしまうということが起きています。
腸内細菌が減った結果、「リーキーガット」が発生
リーキーガットとは、腸の細胞に細かな穴が開くという症状です。
これにより未消化の食物や有害物質が体内に侵入し、炎症を発生させます。
研究によると慢性疲労の人は、健康的な人に比べて腸内細菌の種類が少ない上に、炎症レベルが高くリーキーガットの割合も多かったのです。
なので、結論腸内細菌を増やすことが、様々な問題を解決します!
ではここからその腸内細菌を増やす方法について説明します。
腸内細菌を増やす方法① 部屋を清潔にする
腸内細菌は人間の居住空間とも大きな関わりがあります。
悪性のカビが発生すると、有益なバクテリアまで殺してしまいます。
なので以下のことを行いましょう。
- 部屋の換気をこまめにする
- 水まわりのトラブルはすぐに直す(カビが発生するので特に重要)
- 湿度は30~50%に保つ
- 空気清浄機を置く
- 部屋で喫煙をしない
腸内細菌を増やす方法② 発酵食品を取る
次は腸内細菌を迎え入れましょう。効果が高いのは発酵食品です。
具体的には以下の食べ物です。それぞれに特有の細菌を持っているので、幅広く食べることがさらに効果的です。
- 納豆
- キムチ
- ヨーグルト
- ぬか漬け
- 味噌
- ザワークラウト
注意点としては、いくら発酵食品を食べても悪玉菌が多いとリーキーガットは起こりうります。
そこで使うべきは「プロバイオティクス」です。腸内細菌を使ったサプリのことで「ビオフェルミン」や「ラクトーンA」もその一種なのであわせて取るようにしましょう。
腸内細菌を増やす方法③ 食物繊維を取る
そして腸内細菌にとっての食事となる食物繊維を取りましょう。
基本は野菜とフルーツの摂取量を増やしましょう。
中でも以下の水溶性の食物繊維を豊富に含む食材がおすすめです。
- ごぼう
- 寒天
- 海藻
- キノコ類
- オクラ
- リンゴ
加工食品は腸内細菌を殺す
注意点としては、腸内細菌は加工食品が大の苦手です。
特に高脂肪で食物繊維が少ないファストフード・スナック菓子・清涼飲料水は腸内細菌が死ぬことを認識した上で、どうするか考えましょう。
炎症の解決策 環境編
人は環境に影響を受ける
つまり、お菓子置き場が近いだけでお菓子を食べすぎるということになります。
他にも食堂の入り口に野菜があるだけで野菜の摂取量が増えたり、食器のサイズを変えるだけで食欲が減ったりと、人はそれほどまで環境に弱い生き物ということです。
特に影響が大きい環境は「自然」と「友人」
現代人に悪影響を及ぼしている環境は多々ありますが、特に大きいのが「自然」と「友人」だそうです。
その二つについて解説していきます。
マッサージより効果が大きい「自然」
まずは自然に関してです。
副交感神経とは、気持ちが穏やかなときに働く自律神経で、疲れやダメージを回復させる働きがあります。
またデータによると、自然はマッサージのようなリラクゼーションより高い数値を示します。
なのでマッサージより自然とのふれあいの方が効果が高いと言えます。
偽物の自然にもリラックス効果がある
とはいえ、現代においていきなり生活を変えるのは難しいと思います。
それを踏まえて著者がおすすめしているのが以下のステップです。
①PCやスマホの壁紙を森や海の風景に変え、電車など時間のあるときに風や潮騒の音を聞くこと
身の回りに自然を取り込むはじめの一歩です。
②観葉植物を置くこと
デスクに観葉植物を置いた従業員ほど、ストレスが低く、生産性まで高い傾向にあるそうです。
③公園を活用する
具体的には、週1回30分公園に行くというのをベースラインにしつつ、少しずつ接触時間を増やすのがいいそうです。
以上の3つのステップを取り入れながら、最終的に自分のライフスタイルを崩さない範囲で自然との接触時間レベルを最大化するというのが重要です。
孤独だった人に友人ができると寿命が延びる
続いて友人に関してです。
私たちの体を健康にし、心を幸福にしてくれるのは「良い人間関係」と言えます。
人間の脳は人間関係をつくることが苦手
では、どのように良い人間関係を築くかということに関してですが、そもそも人の脳は見知らぬ他人とうまく人間関係を築くように設計されていないそうです。
また人の認知ソースは大勢の友人をさばくようにはできておらず、5人前後としか親密な人間関係を築けないそうです。
ただ先に述べた孤独というのは、一人の親友さえいればかなりダメージが下がることもわかっているため、浅く広い友人関係ではなく、狭く深い人間関係を築くことが重要です。
具体的に親密な人間関係を築くために、著者は以下の3つのポイントをおすすめしています。
①時間
一緒に過ごす時間に比例して親密度も高まるそうです。
さらに言うと、特別何かをせずとも同じ空間にいるだけで効果があるそうです。
②同期
同期とは、他人と同じような動きをすることです。
以下の2つを満たせば内容は何でもいいそうです。ランニングでもエクササイズでも合唱でも。
- 全員が近い場所で行う
- 同じタイミングで同じ行動をする
③互恵
互恵とは、相手に利益を与えることだそうですが、簡単に言うと信頼関係を築くことです。
お互いがいざというときに助け合える関係を築くが重要です。
炎症の解決策 ストレス編
過剰なストレスは全身を壊す
心臓はメンタルに影響されやすいです。興奮すれば脈拍と血圧は上昇し、睡眠中やリラックス時は脈拍と血圧は下がります。
ストレスがかかった状態というのは心臓のエンジンをふかしっぱなし状態で、心臓や血管に過度の負担がかかります。
ストレスを感じたときは「リアプレイザル」が効果的
リアプレイザルとは再評価という意味で、簡単に言うとストレスを感じたときに不安に思うのではなく「楽しくなってきた」とか「興奮してきた」と言い聞かせることです。
ストレスの解消において睡眠は重要
睡眠負債という言葉があるように寝不足が続くとダメージを修復できません。
睡眠には日中のストレスを回復させる働きがあるので、良質な睡眠が重要です。
良質な睡眠とは、以下のポイントだそうです。
- 眠りに落ちるまで30分以内
- 夜中に起きるのは1回まで
- 夜中に目が覚めた場合、20分以内に再び眠ることができる
ウォーキングでもストレスは激減
ここ数年で運動のメリットを示すデータは激増しているそうで、運動は脳に良い影響を与える可能性が非常に高いです。
具体的に本書で挙げられている内容は以下の通りです。
- どんな運動でもある程度の負荷があれば脳に良い影響を与える
- 最低ラインとしては、1回45分の少しきつい運動を週に2回行う
- 週2回の運動と週4回の運動を比較した場合、大きな差はない
スマホの使用時間が長い人ほど不安が大きい
実際にスマホの使用時間に比例して、ストレスが増えるというデータがあるそうです。
またあるIT系ライターは一年間デジタル断食を行い、仕事に支障が出ると思いきや逆に生産性が上がったという話もあります。
そこまでは難しいかもしれませんが、スマホの使い方も意識する必要があるということです。
不安の解決策
本書では炎症の解決策の後、不安の解決策の話に続きますが、長くなるので今回は割愛させていただきます。
まとめ
では最後にまとめます。
文明病とは?
文明の発達によって引き起こされる現代特有の病気や症状のことで
炎症と不安が原因です。
炎症とは?
細胞レベルで起きる火事のようなもので
長寿な人ほど炎症レベルが低いということがわかっています。
大事なのは、炎症は体の表面だけの現象ではないことで、現代人は気づかぬうちに体の内部で炎症を起こし、それが現代病に繋がります。
不安とは?
心配事や恐怖などネガティブな心理状態のことで
現代人は「ぼんやりした不安」を慢性的に感じており、
それが記憶力、判断力を奪い、死期を早めることに繋がります。
炎症の解決策は?
①腸内環境を整えること。具体的には、
- 部屋を清潔にする
- 発酵食品を食べる
- 食物繊維を取る
②環境を上手く利用すること。具体的には、
- 自然の接触時間を増やす
- 良好な人間関係を築く
③ストレスを解消する。具体的には、
- リアプレイザルを行う(緊張や不安を興奮といった感情に変換する)
- 良質な睡眠を意識する
- 適度な運動をする
以上になります。
いかがだったでしょうか。
個人的には、肥満というのは炎症を起こしている状態で、いわば弱い風邪を毎日ひいてしまっているぐらい常にエネルギーを使っている。
それが慢性的疲労や寝ても疲れが取れないということが印象的でした。
最近在宅勤務もあり少し太ってきているので、それが日々のパフォーマンス低下に繋がっていると考えると、すぐに本書を読み実践しようという気持ちになりました。
今回はポイントを絞って説明しているので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
おまけ 個人的なアクションプラン
最後に参考までに自分のアクションプランを記載します。
- 発酵食品と食物繊維をもっと取るようにする。(R-1ヨーグルトを毎日飲み、キムチと野菜を毎日必ず摂取する)
- 観葉植物を買う
- 週2回1時間程度のウォーキングを行う