もっと成長させてあげたいのに、どういしたらいいのだろう?
コーチングは、最近話題で、部下や後輩だけでなく、恋人や友人など全ての人間関係に活用できます。
うまく活用できれば周りの成長に貢献しつつ、自分も成長できます。
ちなみに本書の話は、コーチングを受ける側ではなく、コーチングをする側の話が中心です。
では、内容をポイントを絞って説明します。
『目からウロコのコーチング』おすすめ度
読みやすいか? ★☆☆
→役立つポイントは多いのですが、まとまりは悪いです。同じ話が何度もでてきたり、構造がわかりづらいです。
実際に役に立つか? ★★☆
→普段の会話から役立つ内容もあるので、様々な方に役立ちます。
コーチングとは何か
重要なのは、自発的という部分です。
コーチングは大前提として、答えはその人自身の中にあるという考え方で、必要があればアドバイスはしますが、基本的には質問を中心に相手の潜在能力を引き出し、目標達成をサポートします。
では、続いてコーチングが必要とされる背景について説明します。
コーチングが必要な背景
今は何が起こるかわからない変化の激しい時代です。
モノや情報にあふれており、何が正しいか、何が必要か自分で考えなければなりません。
そういった中で、組織は自分で考え、行動できる人材を育成する必要があります。
そこで生まれたのがコーチングです。
またこういった環境の中で、求められる能力はIQ2割、EQ8割と言われているそうです。
IQは知能指数であるのに対し、EQはこころの知能指数です。
つまり、今は自分で感情やモチベーションをコントロールし、他人と上手く関わっていく能力が求められるということです。
では、コーチングの仕組み、具体的な流れを説明していきます。
コーチングの仕組み
潜在能力を引き出す
そのためには質問することが非常に有効です。質問によって相手の意識を潜在能力に向かわせます。
コーチはいわば、あなたの潜在意識の中にある宝を一緒に探し才能と調和する生き方を提案する「宝探しナビゲーター」なのです。
目標達成を通じて成長に貢献
そのためには目標を宣言することが重要です。言語化することでリアルになり、具体的な道が見えてきます。
詳細な目標設定やそのサポート方法はこの後まとめて説明します。
では、続いてコーチングにおける会話のポイントを説明します。
コーチングにおける会話のポイント
心構え
承認の意識
まず相手の存在を認めましょう。無理に褒める必要はありません。存在を認めることで相手は安心感を持ち話す体勢が整います。
会話によるやる気の変化
人は会話によってやる気が出たり、逆に下がることもあると認識しましょう。単なる指示命令では生まれるエネルギーは少ないです。
態度
相手と話すとき身体はどこを向いていますか?視線は?笑顔は?相手を異質だと感じてしまうと本心を見せなくなります。
聴くこと
フィルターを取り払い100%聴く
人はどうしても自分の価値観で話をきいてしまいます。話をききながら、次何を話そうかとか、自分だったらこうするな、とか。
それはフィルターがかかった状態です。
そうではなく、コーチングは質問して、聴いて、ただ受け入れるだけです。
全部聴く
相手の話を全てきいてください。口を挟みたくなっても、相手がアドバイスを求めたときのみ話すようにしましょう。
また最初から理路整然と話す必要はないと認識してください。
話しながら考えがまとまったり、気づいたりしていくものです。
答えを引き出す
はじめに出てくる答えは表面的です。底をついてもまだ底があると思って深掘りしてください。
質問の名を借りた意見はNG
質問の形式でもあなたの意見へ誘導する質問があります。大事なのは、あくまであなたではなく相手と意識してください。
話すこと
コーチングは基本的に聴くことが重要ですが、話すときは以下のことを意識してください。
伝え方次第でやる気が変わる
態度の部分でも触れましたがあなたの伝え方次第で相手のパフォーマンスが変わると認識しましょう。
あなたが上司であれば、自分の思いや考えを積極的に伝え、部下をやる気にさせることができればあなたの成果に繋がります。
Iメッセージ(例、私は~と思う)
トラブルはYouメッセージで起こりがちです。お前は~だとか、部長は~だとか。
そうではなくIメッセージで伝えることでトラブルを防ぎ、相手のやる気に繋げることができます。
注意点
今までの話を聞いて、忙しいからこんなことしている暇がないという人がいます。
でも、よく考えてください。
中間管理職は個人ではなく、チームの力が評価されますので、部下の成長に貢献することは必須と言えます。
コーチングの具体的な手順
続いてコーチングを進める具体的な手順を紹介します。
達成目標を立てる
この目標設定が聴くことに並んで非常に重要です。
大目標(1年以上)、中目標(3か月~1か月)、小目標(1か月~1週間)を立てましょう。
注意点は以下の3つです。
- 目標は数値化数量化できるものは明確に設定し、できないものは具体的に設定する
- 成し遂げた状態をビジュアライズしていく
- コーチが目標を設定しない
特に2は重要で、コーチと相手が目標達成の姿を共通の具体的な映像にしてください。具体的であればあるほど良いです。
現状を把握する
現実と目標のギャップをしっかり認識しましょう。
「なりたい状態(目標)ー現状=取り組むべき行動」
自分自身の能力や資源も現状として認識するようにしてください。
原因・背景
現状と目標とのギャップを引き起こしている理由や背景を明らかにしましょう。
この状況においてコーチは問題の本質を見極めることが大切です。
背景を質問すると、不満や悪口を話し続ける人がいますが「改善したら良くなりそうなことはなんですか?」ときくなどして問題の本質に目を向けましょう。
行動(やるべき選択肢)
まずは取り組むべき行動をたくさん挙げましょう。
その選択肢の中からどれがベストか考えます。
自分の力にこだわる傾向があるので、周囲の人やモノ、金、時間など使える資源を使うことも意識してください。
アドバイス・フォロー
アドバイスはあなたの意見に誘導するのではなく、あくまで相手中心です。
フォローはダメ押しのイメージで、行動を具体的にいつまでにどのように行うかという設定をしましょう。
行動を起こせなかった場合は、その原因・それを取り除く方法について考えましょう。
コーチングにおけるポイント
相手が主人公ですから、相手の意見が最優先ですし、相手の能力をどう活かせるか、どうすれば相手が望むことが実現できるか
それをサポートする存在だということを認識しましょう。
まとめ
では最後にまとめます。
コーチングとは何か
会話によって相手の能力を引き出しながら、前進をサポートし、自発的に行動することを促すコミュニケーションスキルのこと
コーチングの仕組み
質問によって相手の潜在能力を引き出す
目標達成をサポートすることで成長に貢献
コーチングにおける会話のポイント
①心構え
承認することで安心させる
会話によるやる気の変化を認識する
態度によって本心を見せなくなる場合がある
②聴くこと(重要)
フィルターを取り払い100%聴く
全部聴く
答えを引き出す
質問の名を借りた意見はNG
③話すこと
伝え方次第で相手のやる気が変わる
Iメッセージを使う(例、私は~と思う)
④注意点
忙しいというのはコーチングをしない理由にならない
コーチングの具体的な手順
①達成目標を立てる
②現状を把握する
③原因・背景
④行動(やるべき選択肢)
⑤アドバイス・フォロー
以上になります。
いかがだったでしょうか。
私は本書で書かれているNGの行動をしてしまっているなという部分が多々ありました。
ただそれを修正していけばもっと後輩の成長に貢献できるとも感じましたし、自分ももっと成長できると思いました。
コーチングに対して元々興味がありましたが、もっと知りたいと思えました。
ちなみに私がよく見るYouTuberのAKIOBLOGさんはコーチングの会社を経営されているので、その方のYouTubeやBLOGを見るのも面白いと思います。
おまけ 個人的なアクションプラン
最後に自分のアクションプランを記載します。
- どのような相手と話すときも本書で書かれている聴くことのポイントを意識する
- 部下の目標設定やフォローの際、ビジュアライズを意識してみる
- 自分もコーチングを利用することを検討する