『入門考える技術・書く技術』要約 わかりやすい文章を書くには?【文章の書き方】

 

 
上司にメールや報告書がわかりにくいと言われた。
もっとライティングスキルを向上させるにはどうしたらいいのだろうか?

このようにお悩みの方におすすめなのが本書です。

 

本書を読めば、

  • 自分の文章がわかりにくい原因は何か
  • どうすればわかりやすい文章が書けるか

ということがわかります。

社会人の若手や、ブログなどを書いている人には特におすすめです。

では、内容をポイントを絞って説明します。


『入門考える技術・書く技術』のおすすめ度

読みやすいか? ★★☆

→量もそこまで多くないですし、ポイントがまとまっているのでわかりやすいです。

実際に役に立つか? ★★☆

→書くためだけでなく、読んで理解するということにおいても本書で紹介されている内容が役に立ちます。

 

では、内容の解説に移ります!

 

ライティングについて教えない日本の教育

アメリカのほとんどの大学ではライティングが必修科目だそうです。

それに対して日本はライティングについて教える意識が低くく、そもそも義務教育の段階でライティングとは正反対のことが教えられます。

たとえば、

  • 自分が書きたいことを書きなさい
  • 起承転結で書きなさい
  • 長い小難しい内容の理解を求められる

こういった中でどこかに読み手が理解できなければ、読み手の理解力がなかったという意識が生まれてしまいます。

でも、そうではありません。

ライティングにおいて、一番重要なことは読み手の立場に立って書くということです。

 

では、読み手の立場に立って書くということがどういうことか説明していきましょう。

 

 

文章は考えるプロセスと書くプロセスに分かれる

まず書きはじめる前に、文章において、考えるプロセスと書くプロセスは別という認識が必要です。

そして、文章がわかりづらい原因のほとんどは考えるプロセスにあります

例えば、文章の構造がおかしかったり、読み手の求めるものでなかったりなど。

 

では、考えるプロセスとは具体的に何をするのか説明していきます。

 

考えるプロセス

読み手の立場に立って書くとは具体的にどうすることかというと、読み手の疑問を答えるということです。

なので自分が言いたいことを書いても読み手が求めていなければ意味がありませんし、読み手の疑問だと思っていてもそれは自分が勝手に想像しているだけかもしれません。

読み手の理解こそが、説得力あるビジネス文書を書く上で重要となります。

 

そこで本書で紹介されているのが「OPQ分析」です。

OPQ分析とは

以下の項目を元に読み手を理解することです。

  • O(objective) 達成すべき目標(例、売上昨年対比150%)
  • P(problem)  現状と目標とのギャップ(例、現状は売上昨年対比110%で、40%届いていない)
  • Q(question)  解決に向けた疑問(例、なぜ売上が伸びないのか?)
  • A(answer)  疑問に対する答え(例、新製品が想定ほど伸びていないのでプロモーションを強化する)

 

ポイントは同じモノサシで比べること。

間違った例)売上が伸びていないので経費を抑えるよう努力する

読み手に伝えるべき主メッセージ(OPQ分析におけるA)が決まれば、これを元に文章を組み立てます。

 

ピラミッド構造で文章を組み立てる(ここが一番重要)

ここが本書において、一番重要です。

文章を組み立てる上で、ピラミッド構造で組み立てるということが非常に重要です。

そもそも仕事ができる人というのは、読む書く考える伝えるといったことを自然と構造的にこなします。

文章においては、主メッセージ→その根拠→その説明という流れで以下のようにピラミッド構造で組み立てます。

 

このように構造的に組み立てることで圧倒的に伝わりやすくなります。

ちなみに、「Xmind」というマインドマップのアプリがピラミッド構造で考える上で、非常におすすめです!

 

続いて表現上の注意点を述べます。

 

文章にするときの4つの鉄則

名詞・体言止めは禁止

これらを使用すると中身のないメッセージになります。

例)東南アジア市場の推移→東南アジア市場は、過去5年間年率20%近くの成長を遂げている

あいまいな表現は禁止

具体的には、見直し・再構築・問題・適切な、といった言葉は使わないようにしましょう。

例)組織の見直しを提案する→東京・大阪など大都市圏での営業人員を増大させる

メッセージ1つ

2つ以上ある場合は、メッセージを絞り切れていないということです。

「しりてが」は禁止

これらは英語ではandで表現される言葉で、使用すると関係が曖昧になってしまいます。

例)A社は倒産し、B社は黒字になった→A社が倒産したおかげで、B社は黒字になった

 

so what?だから何?を繰り返す

最後のポイントとして、だから何?を繰り返して考えます。

たいがいメッセージは、はじめ曖昧な状態です。

だから何?と繰り返すことで本当に言いたい具体的なメッセージを繰り返すことができます。

 

では、続いて書くプロセスです。

 

 

書くプロセス

書くプロセスは考えるプロセスほど重要ではありません。

ポイントは2つ。

①ピラミッド構造を崩さず、その構造が見えるように書く

具体的には、見出し・段落・箇条書きを活用して、構造が誰でも自然にわかるようにしてください。

②文章のわかりやすさは接続詞次第(しりてがは使わない)

これは先程4つの鉄則で説明した部分ですが、実際に文章を書いているとどうしても「しりてが」を使ってしまいます。

極力使わず、論理関係を明確化することを意識してください。

 

 

本書のその他の内容

本書では、その他にも書くプロセスのテクニックや、ビジネスにおけるメールの書き方などが説明されていますが、今回は割愛します。

 

 

まとめ

では最後にまとめます。

日本の教育では、ライティングについてしっかり教えられない

なのでライティングのポイントを理解する必要がある

文章は考えるプロセスと書くプロセスに分かれるという認識が必要

多くの場合、文章がわかりにくい要因は考えるプロセスにある

考えるプロセス

大前提として、読み手の疑問に対する答えがビジネス文書となる

  1. その読み手の理解として紹介されているのが「OPQ分析」
  2. そこから導き出された読み手へのメッセージを「ピラミッド構造」で組み立てる
  3. その構造を「4つの鉄則」に従って文章化する
  4. ポイントは、so what?(だから何?)を繰り返してメッセージを具体化すること

書くプロセス

注意すべきポイントは2つ

  1. 考えるプロセスで組み立てた「ピラミッド構造」を崩さず、それが読み手にわかりやすいように表現すること
  2. 「しりてが」を使わず、接続詞の論理関係をわかりやすくする

 

以上になります。

いかがだったでしょうか。

 

個人的には、結論を先に伝えるとか、あいまいな書き方を避ける、ぐらいはわかっていましたが、書くことにおいて、考えるプロセスと書くプロセスに分けたことがなかったので、非常に勉強になりました。

また少し難しい本を読んだり、企画を考えるときにマインドマップを使っていましたが、文章を書くときには使えていなかったので、もっと活用する必要があるなと感じました。

 

おまけ 個人的なアクションプラン

最後に自分のアクションプランを記載します。

  1. 文章を書くときは、まずマインドマップでピラミッド構造を組み立てる
  2. 読み手の理解につとめ、常に読み手の疑問に対する答えを意識する
  3. 企画の提案資料や会議の議事録などを上司に確認してもらい、自分で認識できていない曖昧でわかりにくい表現をなくしていく

 

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